●日本はわずか1つのメダルに終わった今回のトリノ五輪。
▼トリノの理想と現実 相関図
日本国内のことばかり見がちだが、他の国はどうだったのだろうか。
日本同様惨敗した国もあれば、躍進を見せた国もある。
各国の今大会を含めた最近5大会のメダル数を比較してみる。
▼2002ソルトレイク五輪国別メダル数
▼1998長野五輪国別メダル数
▼1994リレハンメル五輪国別メダル数
▼1992アルベールビル五輪国別メダル数
▼スポーツイラストレイテッド誌 トリノ五輪メダル予想
●メダル数を見る前の印象として、今大会「調子が悪かったな」と思ったのがノルウェーとフィンランド。
逆に「好調だな」と思ったのがスウェーデン。
実際、メダル数を見ても、この北欧3カ国に対する自分の印象は大きく間違ってはいなかったようだ。
ノルウェーは過去3大会連続2桁の金メダルを獲得、4大会前のアルベールビルでも9つの金メダルを獲得している。
しかし、今大会の金メダルはジャンプノーマルヒルのビストールと、アルペン男子スーパー大回転のオーモットの2つのみ。
銀8、銅9は獲得しているものの、過去4大会は全て20以上のメダルを獲得していることを考えると、計19個のメダルと言うのも、ノルウェーとしては少ない数だろう。
「ノルディック」というだけに、さすがにノルディック種目では強く、クロスカントリーで銀3、銅1、バイアスロンで銀2、銅3、ノルディック複合で銀1、銅1、ジャンプで金1、銅3を獲得している。
ただ、エステルが男子ダブルパシュートで銀、ビヨルゲンが女子10kmクラシカルで銀に終わるなど、得意のクロスカントリーが思ったほど伸びず金メダルを獲る事ができなかった。。
リレーもエースの不発で伸びず、メダルに絡めなかった。
さらに、コスのイメージの強いスピードスケート男子長距離でもメダルに絡めず。
グルーダム、エルビクと言う有力選手はいたものの、結局スピードスケート全体でメダル無しに終わってしまった。
フィンランドは、過去の大会でも特にメダル数が多いわけではない。
今回もソルトレイクのメダル数7は上回っており、特に惨敗と言うわけではない。
男子アイスホッケーでは決勝まで無敗で勝ち進むなど、一見調子が良かったようにも見える。
ただ、ノルディック複合のマンニネン、ジャンプのアホネンと大本命に近い金メダル候補を抱えながら、この本命2人は個人戦でメダルに絡むことすらず、結局全体で金メダル0に終わってしまった。
これはかなり意外で、「負け」の印象を強くさせている。
2人とも「五輪での弱さ」が言われる選手だが、今大会でもモロにそれが出てしまった。
特にマンニネンの崩れ具合は、今季のW杯を見る限りちょっと信じられないほどだ。
メダル9個のうち、5つは団体戦でのメダル。
意外と大舞台での個人のメンタルが弱い国なのかもしれない。
他の北欧2カ国を尻目に、絶好調だったのがスウェーデン。
過去2大会は0、リレハンメル、アルベールビルでもそれぞれ2、1だった金メダル数が、今回は一気に7に増加した。
クロスカントリーのチームスプリントでアベック優勝、男子スプリントのリンド、女子カーリング、バイアスロン女子12.5kmのオロフソン、アルペン女子回転のパーション、さらに大会最後の男子アイスホッケーで優勝。
銀、銅の合計数と同数の金メダルを獲得し、メダルの合計数でもソルトレイク(7個)の倍、長野(3個)の約5倍となる14個となり、大躍進となった。
●メダル獲得数トップのドイツは、スポイラ予想を下回り、ソルトレイクからもメダル獲得数を減らしたものの、ここ5大会中4大会で2桁の金メダルを獲得するなど、安定感は随一。
ボブスレーで3つ、バイアスロンで4つの金メダルを獲得。
この辺りのお家芸は守ったが、スピードスケートの女子長距離の金メダルは新種目のチームパシュートのみ。
ノルディック複合はヘティッヒが金メダルを取ったものの、エースアッカーマンが不発。
ドイツがメダルを獲得した競技はノルディック複合、バイアスロン、リュージュ、ボブスレー、女子スピードスケート、クロスカントリーの6つ。
メダル数トップの国にしては、意外と競技数が少ない。
メダル数2位のアメリカは、ソルトレイクの計34個からは10個近く減らしたが、金メダルはほぼ同数(ソルトレイク10、トリノ9)。
メダル総数は長野と比較すると倍増しており、かなりの躍進と言える。
「お家芸」ともいえるスノーボード種目で3つの金メダルを獲得するなどメダルを量産。
さらに、今大会は男子スピードスケートが絶好調。
500のジョーイ・チーク、1000でシャニー・デービス、5000でチャド・ヘドリックと3人の金メダリストが誕生。
この3人で他に銀3、銅1も獲得した。
躍進の一方で、男子アイスホッケーであっさりと準々決勝敗退するなど、夏季五輪に通じるような脆さもあった。
メダル数3位は「アルペン王国」オーストリア。
過去3大会は金メダル数3個以下に終わっていたが、今大会は9個の金メダルを獲得し、メダル総数もここ2大会の17から23へと伸ばしてきた。
男子アルペンでライヒが回転、大回転の2冠、女子アルペンではドルフマイスターが滑降、スーパー大回転の2冠。
さらに銀メダル、銅メダルもアルペンで5個ずつを獲得した。
さすがのアルペンでの強さを見せたが、今大会はノルディック種目も好調。
モルゲンシュテルン、コフラーが絶好調のジャンプでは2つの金メダル、さらにゴットバルト好調のノルディック複合で2つの金メダル。
自分がノルディック種目が好きなだけに、今回はオーストリアの好調が特に目立ったように思える。
リュージュ2人乗りのリンガー兄弟とあわせ9つの金メダルを獲得した。
●次回バンクーバー五輪の開催国であるカナダも、メダル総数をソルトレイク、長野の17から24へと大きく伸ばしてきた。
金メダル7つの内訳は、女子スピードスケート2、スケルトン、モーグル、アイスホッケー、クロスカントリー、カーリングとバラエティーに富んでいるのが特徴。
銀メダル10は、ドイツの12に次ぎ全体の2位。
ボブスレー、ショートトラックでもメダルを獲得するなど、全体的に強化が進んでいることをうかがわせる。
カナダで目立つのは、シンディ・クラッセン、クララ・ヒューズ、クリスティーナ・グローブスの3人を中心とした女子スピードスケート中長距離陣の充実。
かつては男子ジェレミー・ウォザースプーン、女子カタリナ・ルメイ・ドーンの短距離陣が目立ったカナダだが、銀メダルを獲得した男子チームパシュートを含め、最近は中長距離陣が充実してきている。
#その分500m陣はかなり弱体気味だが・・・。
●日本にとって気になるのは、韓国、中国というアジア勢の躍進。
韓国は過去最高の金メダル6つを獲得し、メダル獲得数で全体の7位につける大躍進。
メダル総数も初の2桁にのせた。
得意のショートトラックの種目数が徐々に増え、さらに強化も順調に進んでいることで、メダル数を増やしてきている。
ここ3大会のメダルは全てショートトラックでのものだったが、今大会では李康ソクがアルベールビル男子スピードスケート1000m銀の金潤万以来となるスピードスケートでのメダル、男子500mでの銅メダルを手にした。
相変わらず、ショートトラック、スピードスケート以外は冬季五輪で目立たない韓国だが、ショートトラックでは絶対的な地位を築いている。
まだまだ冬季競技全般で見れば韓国より日本の方が競技力があるとは思うが、カーリングでも最近は韓国に負けることもあるようだし、ジャンプでも青森冬季アジア大会で競技人口5人といわれる韓国に苦杯を舐めた苦い過去もある。
いつまでも「日本がアジアのトップだ」などと思っていたら、あっさりと足元をすくわれる可能性がある。
#メダル数だけを見れば、既に韓国が日本のはるか上なわけだし。
アジアでのライバルと言えば、当然中国もある。
前回ソルトレイクで冬季五輪史上初の金メダルを獲得したばかりだが、今大会も2つの金メダルを含む11のメダルを獲得。
金メダルはショートトラック女子500mの王濛と、男子エアリアルの韓暁鵬。
得意の2種目で金を獲得。
エアリアルでは女子でも銀、ショートトラックでは銀1、銅3を獲得している。
さらに金大本命と言われたスピードスケート女子500mの王曼利が銀、フィギュアのペアでは銀、銅の2つのメダルを獲得した。
幅広い競技で着実に力をつけている中国は、日本にとって韓国以上に脅威だ。
スキー競技でも、クロスカントリーでは中国選手が日本選手に先着する場面が目立った。
●地元イタリアは金5、銅6でメダル総数11。
金メダル数は前回ソルトレイクを上回ったものの、メダル総数は減少。
金メダル数としても、リレハンメルの7個を越えることは出来なかった。
男子5000mのエンリコ・ファブリスの銅メダルで勢いをつけたスピードスケートでは、男子チームパシュートで金、さらにファブリスが1500mで金を獲得するなど、これまでにない大きな成果を上げた。
#女子のキアラ・シミオナートが思わしい結果を残せなかったのが残念だが。
#ちなみにイタリアのスピードスケート競技人口は80人らしいが・・・。
さらにクロスカントリーでは男子40kmリレーで完勝の金、スキー競技最終種目のクロスカントリー男子50kmでもジョルジオ・ディセンタが金と非常に絵になる感動的な金メダルは多かった。
しかし、印象ほどメダル数は伸びなかった。
#もう1つの金メダルは男子リュージュ1人乗りのツェガラー。
開会式で選手宣誓を行った金メダル大本命のジョルジオ・ロッカが回転1番スタートで棄権するなど、アルペンでメダルなし。
さらに、女子クロスカントリーもリレーの銅メダルのみ。
これまでメダルを量産してきた競技で思った以上にメダルが伸びず、開催国としてはやや誤算のメダル数だったのではないだろうか。
●この他にいい結果だったのはスイスとエストニア。
スイスはスノーボードのパラレル大回転で男女アベック優勝。
さらに、スノーボードクロスでもターニャ・フリーデンがタナボタの金メダルをきっちり拾うなど運もあった。
女子スケルトンのペダーセン、女子エアリアルのレウも金メダル。
アルペン、フィギュア、カーリングなど結構色んな種目でメダルを取っている。
スイスとしては、予選リーグ絶好調だった男子アイスホッケーがメダルに届いていれば、言うこと無しだっただろうが・・・。
金メダル3つのエストニアは、その全てがクロスカントリー。
特に、その2つを獲得したクリスティーナ・スミグンが光る。
女子ダブルパシュート、10kmクラシカルの2冠を達成し、エストニア女子選手初だけでなく2つ目の金メダルも手に入れた。
さらに、スミグンに続くように、男子15kmでもベールパルがソルトレイクに続く連覇となる金メダルを獲得。
ソルトレイクまで1つの金メダルしかなかったエストニアが、一挙に3つの金メダルを獲得するという非常に大きな躍進の大会となった。
●勝負事だけに、躍進するものがあれば、当然その反対に後退するものもいる。
今回の日本は「後退する側」になってしまった。
しかし、今回はその「順番」だけで負けたわけではない。
事前の長期的な取り組みを含め、「負けるべくして」負けたのだ。
どうすれば再び上昇気流に乗れるのか。
今回躍進したチームにも、後退したチームにも共に学び、より前進していかないとバンクーバーへの明るい道は見えてこない。
トリノ終了直後、バンクーバーへの希望を口にする選手も多くいる一方、五輪で改めて世界との差を絶望的に感じ、引退をほのめかす選手も相当数いる。
現在の日本スポーツ界が、そんな選手達に明るい道を提供できるかと言うと、かなり疑問を感じざるを得ない。
五輪は1つの時代の終わりでもあるが、さらに次のステージへ向けてのスタートでもある。
今回の結果から何かを学び、何か手を打っていかないと、次へとは繋がっていかない。
#なんて偉そうな事を言いながら、言っているだけで何もできない自分だったりするのだが・・・。
■トリノ五輪■メダル
▼トリノの理想と現実 相関図
日本国内のことばかり見がちだが、他の国はどうだったのだろうか。
日本同様惨敗した国もあれば、躍進を見せた国もある。
各国の今大会を含めた最近5大会のメダル数を比較してみる。
■最近5大会の冬季五輪各国メダル数
| 2006 トリノ |2002 |1998 |1994 |1992
| 結果 |スポイラ予想 |ソルトレイク |長野 |リレハンメル |アルベールビル
|金 銀 銅 計|金 銀 銅 計|金 銀 銅 計|金 銀 銅 計|金 銀 銅 計|金 銀 銅 計
ドイツ |11 12 6 29|16 11 12 39|12 16 8 36|12 9 8 29| 9 7 8 24|10 10 6 26
アメリカ | 9 9 7 25| 5 12 13 30|10 13 11 34| 6 3 4 13| 6 5 2 13| 5 4 2 11
オーストリア | 9 7 7 23| 6 7 6 19| 3 4 10 17| 3 5 9 17| 2 3 4 9| 6 7 8 21
ロシア | 8 6 8 22| 4 6 10 20| 5 4 4 13| 9 6 3 18|11 8 4 23| 9 6 8 23(EUN)
カナダ | 7 10 7 24| 4 10 7 21| 7 3 7 17| 6 5 4 15| 3 6 4 13| 2 3 2 7
スウェーデン | 7 2 5 14| 3 3 6 12| 0 2 5 7| 0 2 1 3| 2 1 0 3| 1 0 3 4
韓国 | 6 3 2 11| 4 2 3 9| 2 2 0 4| 3 1 2 6| 4 1 1 6| 2 1 1 4
スイス | 5 4 5 14| 4 3 2 9| 3 2 6 11| 2 2 3 7| 3 4 2 9| 1 0 2 3
イタリア | 5 0 6 11| 2 4 0 6| 4 4 5 13| 2 6 2 10| 7 5 8 20| 4 6 4 14
フランス | 3 2 4 9| 2 4 3 9| 4 5 2 11| 2 1 5 8| 0 1 4 5| 3 5 1 9
オランダ | 3 2 4 9| 2 2 3 7| 3 5 0 8| 5 4 2 11| 0 1 3 4| 1 1 2 4
エストニア | 3 0 0 3| 0 0 0 0| 1 1 1 3| 0 0 0 0| 0 0 0 0| 0 0 0 0
ノルウェー | 2 8 9 19|14 6 5 25|13 5 7 25|10 10 5 25|10 11 5 26| 9 6 8 23
中国 | 2 4 5 11| 5 4 3 12| 2 2 4 8| 0 6 2 8| 0 1 2 3| 0 3 0 3
チェコ | 1 2 1 4| 5 0 0 5| 1 2 0 3| 1 1 1 3| 0 0 0 0| - - - -
クロアチア | 1 2 0 3| 2 1 1 4| 3 1 0 4| 0 0 0 0| 0 0 0 0| 0 0 0 0
オーストラリア| 1 0 1 2| 1 0 0 1| 2 0 0 2| 0 0 1 1| 0 0 1 1| 0 0 0 0
日本 | 1 0 0 1| 0 0 2 2| 0 1 1 2| 5 1 4 10| 1 2 2 5| 1 2 4 7
フィンランド | 0 6 3 9| 2 4 5 11| 4 2 1 7| 2 4 6 12| 0 1 5 6| 3 1 3 7
ポーランド | 0 1 1 2| 0 0 0 0| 0 1 1 2| 0 0 0 0| 0 0 0 0| 0 0 0 0
ベラルーシ | 0 1 0 1| 1 0 0 1| 0 0 1 1| 0 0 2 2| 0 2 0 2| - - - -
ブルガリア | 0 1 0 1| 0 1 0 1| 0 1 2 3| 1 0 0 1| 0 0 0 0| 0 0 0 0
イギリス | 0 1 0 1| 0 0 0 0| 1 0 1 2| 0 0 1 1| 0 0 2 2| 0 0 0 0
スロバキア | 0 1 0 1| 0 0 0 0| 0 0 0 0| 0 0 0 0| 0 0 0 0| - - - -
ウクライナ | 0 0 2 2| 0 0 1 1| 0 0 0 0| 0 1 0 1| 1 0 1 2| - - - -
ラトビア | 0 0 1 1| 0 0 0 0| 0 0 0 0| 0 0 0 0| 0 0 0 0| - - - -
デンマーク | 0 0 0 0| 0 0 0 0| 0 0 0 0| 0 1 0 1| 0 0 0 0| 0 0 0 0
カザフスタン | 0 0 0 0| 0 0 0 0| 0 0 0 0| 0 0 2 2| 1 2 0 3| - - - -
ベルギー | 0 0 0 0| 0 0 0 0| 0 0 0 0| 0 0 1 1| 0 0 0 0| 0 0 0 0
スロベニア | 0 0 0 0| 0 0 0 0| 0 0 0 0| 0 0 1 1| 0 0 3 3| 0 0 0 0
ルクセンブルク| 0 0 0 0| 0 0 0 0| 0 0 0 0| 0 0 0 0| 0 0 0 0| 0 2 0 2
ニュージーランド | 0 0 0 0| 0 0 0 0| 0 0 0 0| 0 0 0 0| 0 0 0 0| 0 1 0 1
チェコスロバキア | - - - -| - - - -| - - - -| - - - -| - - - -| 0 0 3 3
北朝鮮 | 0 0 0 0| 0 0 0 0| 0 0 0 0| 0 0 0 0| 0 0 0 0| 0 0 1 1
スペイン | 0 0 0 0| 0 0 0 0| 0 0 0 0| 0 0 0 0| 0 0 0 0| 0 0 1 1
アルベールビル時の独立国家共同体(EUN)は、便宜上ロシアにまとめました。
▼2006トリノ五輪メダル数▼2002ソルトレイク五輪国別メダル数
▼1998長野五輪国別メダル数
▼1994リレハンメル五輪国別メダル数
▼1992アルベールビル五輪国別メダル数
▼スポーツイラストレイテッド誌 トリノ五輪メダル予想
逆に「好調だな」と思ったのがスウェーデン。
実際、メダル数を見ても、この北欧3カ国に対する自分の印象は大きく間違ってはいなかったようだ。
ノルウェーは過去3大会連続2桁の金メダルを獲得、4大会前のアルベールビルでも9つの金メダルを獲得している。
しかし、今大会の金メダルはジャンプノーマルヒルのビストールと、アルペン男子スーパー大回転のオーモットの2つのみ。
銀8、銅9は獲得しているものの、過去4大会は全て20以上のメダルを獲得していることを考えると、計19個のメダルと言うのも、ノルウェーとしては少ない数だろう。
「ノルディック」というだけに、さすがにノルディック種目では強く、クロスカントリーで銀3、銅1、バイアスロンで銀2、銅3、ノルディック複合で銀1、銅1、ジャンプで金1、銅3を獲得している。
ただ、エステルが男子ダブルパシュートで銀、ビヨルゲンが女子10kmクラシカルで銀に終わるなど、得意のクロスカントリーが思ったほど伸びず金メダルを獲る事ができなかった。。
リレーもエースの不発で伸びず、メダルに絡めなかった。
さらに、コスのイメージの強いスピードスケート男子長距離でもメダルに絡めず。
グルーダム、エルビクと言う有力選手はいたものの、結局スピードスケート全体でメダル無しに終わってしまった。
フィンランドは、過去の大会でも特にメダル数が多いわけではない。
今回もソルトレイクのメダル数7は上回っており、特に惨敗と言うわけではない。
男子アイスホッケーでは決勝まで無敗で勝ち進むなど、一見調子が良かったようにも見える。
ただ、ノルディック複合のマンニネン、ジャンプのアホネンと大本命に近い金メダル候補を抱えながら、この本命2人は個人戦でメダルに絡むことすらず、結局全体で金メダル0に終わってしまった。
これはかなり意外で、「負け」の印象を強くさせている。
2人とも「五輪での弱さ」が言われる選手だが、今大会でもモロにそれが出てしまった。
特にマンニネンの崩れ具合は、今季のW杯を見る限りちょっと信じられないほどだ。
メダル9個のうち、5つは団体戦でのメダル。
意外と大舞台での個人のメンタルが弱い国なのかもしれない。
他の北欧2カ国を尻目に、絶好調だったのがスウェーデン。
過去2大会は0、リレハンメル、アルベールビルでもそれぞれ2、1だった金メダル数が、今回は一気に7に増加した。
クロスカントリーのチームスプリントでアベック優勝、男子スプリントのリンド、女子カーリング、バイアスロン女子12.5kmのオロフソン、アルペン女子回転のパーション、さらに大会最後の男子アイスホッケーで優勝。
銀、銅の合計数と同数の金メダルを獲得し、メダルの合計数でもソルトレイク(7個)の倍、長野(3個)の約5倍となる14個となり、大躍進となった。
●メダル獲得数トップのドイツは、スポイラ予想を下回り、ソルトレイクからもメダル獲得数を減らしたものの、ここ5大会中4大会で2桁の金メダルを獲得するなど、安定感は随一。
ボブスレーで3つ、バイアスロンで4つの金メダルを獲得。
この辺りのお家芸は守ったが、スピードスケートの女子長距離の金メダルは新種目のチームパシュートのみ。
ノルディック複合はヘティッヒが金メダルを取ったものの、エースアッカーマンが不発。
ドイツがメダルを獲得した競技はノルディック複合、バイアスロン、リュージュ、ボブスレー、女子スピードスケート、クロスカントリーの6つ。
メダル数トップの国にしては、意外と競技数が少ない。
メダル数2位のアメリカは、ソルトレイクの計34個からは10個近く減らしたが、金メダルはほぼ同数(ソルトレイク10、トリノ9)。
メダル総数は長野と比較すると倍増しており、かなりの躍進と言える。
「お家芸」ともいえるスノーボード種目で3つの金メダルを獲得するなどメダルを量産。
さらに、今大会は男子スピードスケートが絶好調。
500のジョーイ・チーク、1000でシャニー・デービス、5000でチャド・ヘドリックと3人の金メダリストが誕生。
この3人で他に銀3、銅1も獲得した。
躍進の一方で、男子アイスホッケーであっさりと準々決勝敗退するなど、夏季五輪に通じるような脆さもあった。
メダル数3位は「アルペン王国」オーストリア。
過去3大会は金メダル数3個以下に終わっていたが、今大会は9個の金メダルを獲得し、メダル総数もここ2大会の17から23へと伸ばしてきた。
男子アルペンでライヒが回転、大回転の2冠、女子アルペンではドルフマイスターが滑降、スーパー大回転の2冠。
さらに銀メダル、銅メダルもアルペンで5個ずつを獲得した。
さすがのアルペンでの強さを見せたが、今大会はノルディック種目も好調。
モルゲンシュテルン、コフラーが絶好調のジャンプでは2つの金メダル、さらにゴットバルト好調のノルディック複合で2つの金メダル。
自分がノルディック種目が好きなだけに、今回はオーストリアの好調が特に目立ったように思える。
リュージュ2人乗りのリンガー兄弟とあわせ9つの金メダルを獲得した。
●次回バンクーバー五輪の開催国であるカナダも、メダル総数をソルトレイク、長野の17から24へと大きく伸ばしてきた。
金メダル7つの内訳は、女子スピードスケート2、スケルトン、モーグル、アイスホッケー、クロスカントリー、カーリングとバラエティーに富んでいるのが特徴。
銀メダル10は、ドイツの12に次ぎ全体の2位。
ボブスレー、ショートトラックでもメダルを獲得するなど、全体的に強化が進んでいることをうかがわせる。
カナダで目立つのは、シンディ・クラッセン、クララ・ヒューズ、クリスティーナ・グローブスの3人を中心とした女子スピードスケート中長距離陣の充実。
かつては男子ジェレミー・ウォザースプーン、女子カタリナ・ルメイ・ドーンの短距離陣が目立ったカナダだが、銀メダルを獲得した男子チームパシュートを含め、最近は中長距離陣が充実してきている。
#その分500m陣はかなり弱体気味だが・・・。
●日本にとって気になるのは、韓国、中国というアジア勢の躍進。
韓国は過去最高の金メダル6つを獲得し、メダル獲得数で全体の7位につける大躍進。
メダル総数も初の2桁にのせた。
得意のショートトラックの種目数が徐々に増え、さらに強化も順調に進んでいることで、メダル数を増やしてきている。
ここ3大会のメダルは全てショートトラックでのものだったが、今大会では李康ソクがアルベールビル男子スピードスケート1000m銀の金潤万以来となるスピードスケートでのメダル、男子500mでの銅メダルを手にした。
相変わらず、ショートトラック、スピードスケート以外は冬季五輪で目立たない韓国だが、ショートトラックでは絶対的な地位を築いている。
まだまだ冬季競技全般で見れば韓国より日本の方が競技力があるとは思うが、カーリングでも最近は韓国に負けることもあるようだし、ジャンプでも青森冬季アジア大会で競技人口5人といわれる韓国に苦杯を舐めた苦い過去もある。
いつまでも「日本がアジアのトップだ」などと思っていたら、あっさりと足元をすくわれる可能性がある。
#メダル数だけを見れば、既に韓国が日本のはるか上なわけだし。
アジアでのライバルと言えば、当然中国もある。
前回ソルトレイクで冬季五輪史上初の金メダルを獲得したばかりだが、今大会も2つの金メダルを含む11のメダルを獲得。
金メダルはショートトラック女子500mの王濛と、男子エアリアルの韓暁鵬。
得意の2種目で金を獲得。
エアリアルでは女子でも銀、ショートトラックでは銀1、銅3を獲得している。
さらに金大本命と言われたスピードスケート女子500mの王曼利が銀、フィギュアのペアでは銀、銅の2つのメダルを獲得した。
幅広い競技で着実に力をつけている中国は、日本にとって韓国以上に脅威だ。
スキー競技でも、クロスカントリーでは中国選手が日本選手に先着する場面が目立った。
●地元イタリアは金5、銅6でメダル総数11。
金メダル数は前回ソルトレイクを上回ったものの、メダル総数は減少。
金メダル数としても、リレハンメルの7個を越えることは出来なかった。
男子5000mのエンリコ・ファブリスの銅メダルで勢いをつけたスピードスケートでは、男子チームパシュートで金、さらにファブリスが1500mで金を獲得するなど、これまでにない大きな成果を上げた。
#女子のキアラ・シミオナートが思わしい結果を残せなかったのが残念だが。
#ちなみにイタリアのスピードスケート競技人口は80人らしいが・・・。
さらにクロスカントリーでは男子40kmリレーで完勝の金、スキー競技最終種目のクロスカントリー男子50kmでもジョルジオ・ディセンタが金と非常に絵になる感動的な金メダルは多かった。
しかし、印象ほどメダル数は伸びなかった。
#もう1つの金メダルは男子リュージュ1人乗りのツェガラー。
開会式で選手宣誓を行った金メダル大本命のジョルジオ・ロッカが回転1番スタートで棄権するなど、アルペンでメダルなし。
さらに、女子クロスカントリーもリレーの銅メダルのみ。
これまでメダルを量産してきた競技で思った以上にメダルが伸びず、開催国としてはやや誤算のメダル数だったのではないだろうか。
●この他にいい結果だったのはスイスとエストニア。
スイスはスノーボードのパラレル大回転で男女アベック優勝。
さらに、スノーボードクロスでもターニャ・フリーデンがタナボタの金メダルをきっちり拾うなど運もあった。
女子スケルトンのペダーセン、女子エアリアルのレウも金メダル。
アルペン、フィギュア、カーリングなど結構色んな種目でメダルを取っている。
スイスとしては、予選リーグ絶好調だった男子アイスホッケーがメダルに届いていれば、言うこと無しだっただろうが・・・。
金メダル3つのエストニアは、その全てがクロスカントリー。
特に、その2つを獲得したクリスティーナ・スミグンが光る。
女子ダブルパシュート、10kmクラシカルの2冠を達成し、エストニア女子選手初だけでなく2つ目の金メダルも手に入れた。
さらに、スミグンに続くように、男子15kmでもベールパルがソルトレイクに続く連覇となる金メダルを獲得。
ソルトレイクまで1つの金メダルしかなかったエストニアが、一挙に3つの金メダルを獲得するという非常に大きな躍進の大会となった。
●勝負事だけに、躍進するものがあれば、当然その反対に後退するものもいる。
今回の日本は「後退する側」になってしまった。
しかし、今回はその「順番」だけで負けたわけではない。
事前の長期的な取り組みを含め、「負けるべくして」負けたのだ。
どうすれば再び上昇気流に乗れるのか。
今回躍進したチームにも、後退したチームにも共に学び、より前進していかないとバンクーバーへの明るい道は見えてこない。
トリノ終了直後、バンクーバーへの希望を口にする選手も多くいる一方、五輪で改めて世界との差を絶望的に感じ、引退をほのめかす選手も相当数いる。
現在の日本スポーツ界が、そんな選手達に明るい道を提供できるかと言うと、かなり疑問を感じざるを得ない。
五輪は1つの時代の終わりでもあるが、さらに次のステージへ向けてのスタートでもある。
今回の結果から何かを学び、何か手を打っていかないと、次へとは繋がっていかない。
#なんて偉そうな事を言いながら、言っているだけで何もできない自分だったりするのだが・・・。
■トリノ五輪■メダル
Comment(0)| Track back(0) | 2006-02-28 14:18:57 | Clip!!
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